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2026年6月3日

姿勢が脳を支配する!?猫背が記憶力・やる気・メンタルを蝕む「身体化認知」の驚愕メカニズム

姿勢が脳を支配する!?猫背が記憶力・やる気・メンタルを蝕む「身体化認知」の驚愕メカニズム
ヤーモリ
(モニターを覗き込みながら)おーい、イーモリ!ちょっと来てくれー!この地球人、見てくれよ!
イーモリ
(コーヒーカップを持って近づく)どうしたんだい、ヤーモリ。また面白い地球人でも見つけたのかい?
ヤーモリ
この人間、朝から晩までずーっとこうやって丸まってるんだ。(真似して猫背になる)パソコンの前でこう…グニャーって。
イーモリ
ああ、デスクワーカーだね。確かに、ほとんどの時間をその姿勢で過ごしているな。
ヤーモリ
でさ、この人、最近『やる気が出ない』『なんか気分が沈む』って言ってるんだよ。仕事も手につかないみたいで。病気かな?
イーモリ
ふふふ、実はね…その原因、まさに今キミが真似した『姿勢』そのものかもしれないんだよ。
ヤーモリ
えっ!?姿勢!?姿勢が悪いとやる気が出なくなるの!?
イーモリ
そうなんだ。最近の脳科学では『身体化認知(Embodied Cognition)』という概念が注目されていてね。簡単に言うと、脳が体の状態を読み取って、気分や思考を変えてしまうんだ。
ヤーモリ
身体化認知…?脳が体を動かすんじゃなくて、体が脳を動かすってこと?
イーモリ
その通り。従来は『脳が司令塔で、体は従うだけ』と考えられていた。でも実際は双方向なんだ。体の姿勢が脳にフィードバックを送って、感情や認知機能まで変えてしまう。
ヤーモリ
えー!じゃあ僕が今こうやって猫背でパンケーキ食べてるのも、脳に悪いの!?(ガーン!)
イーモリ
まさにそうだよ。サンフランシスコ州立大学のPeperらの2017年の研究ではね、216人の大学生を対象に実験したんだ。背中を丸めた姿勢と、背筋を伸ばした姿勢で、それぞれ記憶を思い出してもらった。
ヤーモリ
ほうほう、それでどうなったんだ?
イーモリ
結果は衝撃的だったよ。猫背の状態だと、なんと86%の人がネガティブな記憶を思い出しやすくなった。逆に、背筋を伸ばすと87%の人がポジティブな記憶を思い出しやすくなったんだ。
ヤーモリ
なにーーーーーーーーーー!86%!?ほとんどの人じゃないか!姿勢だけでそんなに記憶が変わるの!?
イーモリ
そうなんだ。Peper教授によると、猫背の状態では『無力感、絶望感、敗北感』といったネガティブな感情にアクセスしやすくなる。まるで脳が『この体勢は落ち込んでいる証拠だ』と解釈してしまうんだね。
ヤーモリ
脳が勝手に解釈するのか…。僕の脳の機械にはそういう機能ないけど、人間の脳ってそういう仕組みなんだな。
イーモリ
さらにね、オランダのVeenstraらの2017年の研究では、猫背の姿勢は気分の回復そのものを妨げることが分かったんだ。ネガティブな気分になった後、猫背のままだと気分が回復しにくく、ネガティブな思考が増えてしまう。
ヤーモリ
つまり、落ち込んで猫背になると、猫背のせいでさらに落ち込む…無限ループじゃないか!
イーモリ
まさに『ネガティブ姿勢スパイラル』だね。体と脳がお互いに悪影響を強め合ってしまう。
ヤーモリ
怖すぎる…。でもさ、姿勢が気分だけじゃなく、体のストレス反応にも影響するって本当?
イーモリ
いい質問だね。ニュージーランドのオークランド大学のNairらが2015年に発表した研究では、姿勢がストレス反応——特に血圧や心拍数、自己肯定感——に影響することが示されたんだ。
ヤーモリ
血圧や心拍数まで!?姿勢だけでそこまで変わるのか!
イーモリ
そう。実験ではストレスのかかるスピーチ課題を行わせたんだけど、背筋を伸ばした姿勢の人は自己肯定感が高く、恐怖感が少なく、血圧の回復も良好だったんだ。一方、猫背の人はネガティブな感情が強く、ストレスからの回復が遅かった。
ヤーモリ
姿勢を変えるだけでストレス反応まで変わるのか!?すごいな…地球人の体って。
イーモリ
さらに興味深いのは、うつ病の症状がある人にも効果があるということだよ。オークランド大学のWilkesらの2017年の研究では、うつ症状のある人が背筋を伸ばした姿勢をとるだけで、ポジティブな感情が増え、疲労感が減少したんだ。
ヤーモリ
えっ!うつの人にも効くの!?薬じゃなくて、姿勢で!?
イーモリ
もちろん姿勢だけでうつ病が治るわけではないよ。でも、補助的な効果は確かにある。姿勢を正すことで、脳のネガティブバイアスを軽減できるんだ。
ヤーモリ
なるほど…。ところで、歩き方も関係あるのか?
イーモリ
鋭いね!ドイツのMichalakらの2015年の研究では、歩き方を変えると記憶にまで影響することが分かったんだ。実験ではトレッドミル上で、うつっぽい歩き方(猫背・うつむき)と、楽しそうな歩き方(背筋を伸ばす・顔を上げる)をさせた。
ヤーモリ
歩き方で記憶が変わる!?
イーモリ
うつっぽく歩いた人は、ネガティブな単語を多く思い出し、楽しそうに歩いた人はポジティブな単語を多く思い出したんだ。つまり、歩き方ひとつで脳の記憶フィルターが切り替わるんだよ。
ヤーモリ
すげー!歩くだけで脳のフィルターが変わるのか!…じゃあさ、逆に良い姿勢にすれば、やる気も出るってことだよな?
イーモリ
その通り。そして2026年に発表された最新の研究がさらに面白いんだ。Acta Psychologicaに掲載された論文では、姿勢と感情調整の関係に『身体経験(Embodied Experience)』が関わることが初めて示されたんだ。
ヤーモリ
身体経験?
イーモリ
日頃から運動やマインドフルネスなどで自分の体に意識を向けている人ほど、姿勢を正した時の感情調整効果が大きいんだ。つまり、体への気づきを高めることが、姿勢の効果を最大化するカギなんだよ。
ヤーモリ
なるほど!ただ姿勢を正すだけじゃなくて、体に意識を向けることが大事なのか!
イーモリ
まとめると、猫背は脳に『自分は落ち込んでいる、無力だ』というシグナルを送り続ける。すると脳はネガティブな記憶にアクセスしやすくなり、ストレスホルモンが増え、気分の回復も妨げられる。逆に、背筋を伸ばすだけで、このサイクルを断ち切れる可能性がある。
ヤーモリ
(ガバッと背筋を伸ばす)よし!僕も今日から姿勢を正すぞ!そしてこの知識を使って…ふっふっふ…地球侵略計画を立てる!
イーモリ
…また始まった。
ヤーモリ
聞いてくれイーモリ!地球人全員の椅子をこっそり猫背になる椅子に替えるんだ!そうすれば全員やる気がなくなって、地球は僕たちのものだー!
イーモリ
…その計画、椅子を何十億個も用意するの?
ヤーモリ
…あ。
イーモリ
それに、僕たちの脳の機械にはニンゲンに危害を加えられない抑制機能があるでしょ。
ヤーモリ
いいもん。いいもん。どーせ僕はポンコツだもん…(猫背に戻る)
イーモリ
ほら、今まさに猫背になってネガティブになっているじゃないか。背筋を伸ばしなよ。
ヤーモリ
(背筋を伸ばす)…あっ!本当だ!なんかちょっと元気になった気がする!
イーモリ
ふふふ、それが身体化認知の力だよ。さあ、パンケーキを食べるなら、せめて背筋を伸ばして食べなよ。
ヤーモリ
了解!背筋ピーンでパンケーキ!…これが一番美味しい食べ方だったのか!
イーモリ
…味は変わらないと思うけどね。

参考文献

Peper, E., Lin, I-M., Harvey, R., & Perez, J. (2017). How posture affects memory recall and mood. Biofeedback, 45(2), 36–41.
https://meridian.allenpress.com/biofeedback/article-abstract/45/2/36/113579/How-Posture-Affects-Memory-Recall-and-Mood

Veenstra, L., Schneider, I. K., & Koole, S. L. (2017). Embodied mood regulation: The impact of body posture on mood recovery, negative thoughts, and mood-congruent recall. Cognition and Emotion, 31(7), 1361–1376.
https://doi.org/10.1080/02699931.2016.1225003

Nair, S., Sagar, M., Sollers, J., Consedine, N., & Broadbent, E. (2015). Do slumped and upright postures affect stress responses? A randomized trial. Health Psychology, 34(6), 632–641.
https://doi.org/10.1037/hea0000146

Wilkes, C., Kydd, R., Sagar, M., & Broadbent, E. (2017). Upright posture improves affect and fatigue in people with depressive symptoms. Journal of Behavior Therapy and Experimental Psychiatry, 54, 143–149.
https://doi.org/10.1016/j.jbtep.2016.07.015

Michalak, J., Rohde, K., & Troje, N. F. (2015). How we walk affects what we remember: Gait modifications through biofeedback change negative affective memory bias. Journal of Behavior Therapy and Experimental Psychiatry, 46, 121–125.
https://doi.org/10.1016/j.jbtep.2014.09.004

Lin, P.-Y., Tien, Y.-M., Kang, L.-Y., & Hsu, L.-C. (2026). Stand tall, think bright: How embodied experience unlocks the power of posture in emotion regulation. Acta Psychologica, 263, 106351. DOI: 10.1016/j.actpsy.2025.106351.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0001691826001514

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