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2026年8月9日

歯を磨かないと脳が侵される!?歯周病菌が血液脳関門を突破しアルツハイマー病のリスクを高める「口腔–脳軸」の驚がくのメカニズム

歯を磨かないと脳が侵される!?歯周病菌が血液脳関門を突破しアルツハイマー病のリスクを高める「口腔–脳軸」の驚がくのメカニズム
ヤーモリ

イーモリ、見ろ!あの地球人、洗面台の前に立ったまま3分もスマホを見てるぞ。歯ブラシを持ってるのに一向に磨かない!

イーモリ

ああ、あの人か。洗面台に来たのにSNSに夢中で、結局10秒くらいシャカシャカっとやって終わりだね。

ヤーモリ

地球人って歯磨きに手を抜くやつ多いよな。僕もたまにサボるけど。パンケーキ食べた後とか特に。

イーモリ

ヤーモリ、それは本当にまずいよ。歯磨きをサボるって、実は脳を危険にさらしてるんだ。

ヤーモリ

えっ?歯と脳って全然関係ないじゃないか!口の中の話と頭の中の話だぞ?

イーモリ

そう思うよね。でも最新の研究で、口の中の細菌が血液に乗って脳にまで到達し、アルツハイマー病のリスクを高める可能性があることがわかってきたんだ。

ヤーモリ

なにーーーーーーーーーー!口の中の菌が脳に行くの!?そんなの聞いてないぞ!

イーモリ

うん。2019年にDominyたちの研究チームが、アルツハイマー病で亡くなった患者の脳を調べたところ、歯周病の原因菌であるポルフィロモナス・ジンジバリス(P. gingivalis)が見つかったんだ。Science Advances誌に発表された大きな研究だよ。

ヤーモリ

ポルフィロ……ジンジバ……何だって?名前が長すぎるぞ!

イーモリ

ふふふ、略してPg菌って呼ぶこともあるよ。歯周病を引き起こす代表的な悪玉菌だね。この菌が出す「ジンジパイン」という毒素のようなタンパク質分解酵素も、アルツハイマー患者の脳から検出されたんだ。

ヤーモリ

毒素まで脳に!?でも待ってくれ、脳には血液脳関門っていうバリアがあるだろ?僕たちの宇宙船のシールドみたいなやつ。あれを突破できるのか?

イーモリ

いい質問だね。実は歯周病菌は2つのルートで脳に侵入する。1つ目は、歯茎の炎症部分から血液中に入り込んで、全身を巡りながら血液脳関門にたどり着くルート。2023年のInternational Journal of Oral Science誌の研究では、ラットにPg菌を静脈注射した動物実験とin vitro実験で、Pg菌の菌血症が血液脳関門の透過性を高める可能性が示されたんだ(Lei et al., 2023)。ヒトで同じことが起きるかはまだ検証中だけどね。

ヤーモリ

バリアの穴を広げちゃうってこと!?うちの宇宙船で言ったら、シールドに穴を開けられるようなもんじゃないか!

イーモリ

まさにそうだね。しかも2つ目のルートとして、Pg菌が出す「外膜小胞(OMV)」という小さなカプセルが、血液脳関門をすり抜けて脳に到達する可能性も報告されているんだ。

ヤーモリ

ナノサイズのカプセル!?まるでトロイの木馬じゃないか!僕の好きなアニメだったら、敵のスパイが潜入するやつだぞ!

イーモリ

言い得て妙だね。で、脳に侵入した菌や毒素がどうなるかというと……脳の免疫細胞であるミクログリアが異物を検知して炎症反応を起こすんだ。

ヤーモリ

ミクログリア!以前の調査で聞いたな。脳のお掃除係だろ?

イーモリ

そう。でも歯周病菌が脳に居座ると、ミクログリアが過剰に活性化して「慢性的な神経炎症」を引き起こしてしまう。そして、この炎症がアルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβの生成を促進するんだ。

ヤーモリ

アミロイドβって、脳に溜まるゴミみたいなやつだよな?

イーモリ

そうだね。Ilievskiたちの2018年の研究では、マウスの口にPg菌を22週間繰り返し塗布したところ、脳内でアミロイドβ42の産生が増加し、神経細胞の変性と炎症が確認されたんだ。つまり、口の中の感染が脳の病変を引き起こしたということだよ。

ヤーモリ

歯磨きをサボっただけでそんなことに!?僕、今すぐ歯を磨きたくなってきたぞ……!

イーモリ

さらに驚くべきデータがあるよ。2025年のメタ分析(Kim & Han, 2025)では、重度の歯周病がある人はアルツハイマー型認知症のリスクが6.87倍高いというオッズ比が報告されたんだ。ただし信頼区間が2.55〜18.54と非常に広く、推定の不確実性が大きい点には注意が必要だよ。

ヤーモリ

6.87倍!?ただし不確実性が大きいとはいえ、かなりの数字だな……!

イーモリ

うん。そして2026年に発表されたおよそ3,570万人を対象にした大規模なメタ分析(Chen et al., 2026)でも、歯を失った人は認知症リスクが1.26倍、軽度認知障害のリスクが1.40倍になることが報告されている。ただし歯の喪失にはう蝕や外傷など歯周病以外の原因もあり、義歯を使用している人ではリスクがほぼ消える(OR 1.03)ことから、咀嚼機能の低下も一因と考えられているんだ。

ヤーモリ

歯を失う原因はいろいろあるけど、歯周病もその大きな要因の一つだもんな……。

イーモリ

その通り。ちなみに、ジンジパインという毒素がどれくらい厄介かというと、この酵素は脳内のタウタンパク質を分解して異常な凝集を促すんだ。タウの凝集はアルツハイマー病の進行に直結する。

ヤーモリ

アミロイドβも増やすし、タウも壊すし……歯周病菌って脳に対してダブルパンチを食らわせてるってことか!

イーモリ

トリプルパンチだよ。さらに神経炎症も加えると、アルツハイマー病の3大要因すべてに関わっている可能性がある。これが「口腔–脳軸(Oral-Brain Axis)」と呼ばれる新しい研究領域なんだ。

ヤーモリ

口腔–脳軸!腸–脳軸は聞いたことあったけど、口にもそんなつながりがあったのか!

イーモリ

そうなんだ。実はこの発見をきっかけに、ジンジパインを阻害する薬の開発が試みられたんだよ。アトゥザジンスタット(COR388)という薬の臨床試験(GAIN試験)では、一部のサブグループ分析で認知機能低下の抑制が示唆されたんだ。

ヤーモリ

おおっ!じゃあ歯周病菌を叩けば認知症の進行を遅らせられるってことか!

イーモリ

ただし注意が必要で、全体としては主要評価項目を達成できず、さらに肝毒性の問題もあって、COR388の開発は中止されているんだ。歯周病菌と認知症の因果関係を治療薬で証明するにはまだ道のりが長い。

ヤーモリ

なるほど……でも、少なくとも歯周病と認知症リスクの関連を示す証拠はかなり積み上がってきてるんだな。因果関係はまだ議論中としても。

イーモリ

その通り。そして何よりも大事なのは、日常的な歯磨きで歯周病を予防できるということだよ。疫学研究では、日常的な口腔ケアの習慣がある人は認知症リスクが低い傾向が報告されている。因果関係はまだ確立されていないけど、歯周病の予防自体が脳の健康にもつながる可能性があるんだ。

ヤーモリ

毎日の歯磨き!それだけで脳を守れる可能性があるなら、こんな簡単な投資はないぞ!よし、僕は今日から丁寧に磨くことにする!朝も夜もパンケーキ後も!

イーモリ

気持ちはわかるけど、強すぎるブラッシングや研磨剤の過度な使用はエナメル質を傷つけることがあるから、力加減には注意してね。ポイントは「回数」より「質」だよ。2分間かけて丁寧に磨くこと、歯間ブラシやフロスを使って歯と歯の間のプラークを除去すること、そして定期的に歯科検診を受けることが大切なんだ。

ヤーモリ

ふっふっふ……ということは、歯磨きは脳のメンテナンスでもあるわけだな。僕たちの脳の機械もメンテナンスが必要だけど、地球人の脳は歯ブラシでメンテナンスできるってことか!

イーモリ

面白い言い方だけど、あながち間違ってないよ。口腔ケアは脳のケアの第一歩。あの洗面台の前でスマホを見ている地球人にも、ぜひ知ってほしいね。

ヤーモリ

よーし!じゃあ僕はまず手本を見せるために、今から歯を磨くぞ!……でもその前にパンケーキ食べていい?

イーモリ

……食べた後にちゃんと磨いてね。

参考文献
Dominy, S. S., Lynch, C., Ermini, F., et al. (2019). Porphyromonas gingivalis in Alzheimer’s disease brains: Evidence for disease causation and treatment with small-molecule inhibitors. Science Advances, 5(1), eaau3333.
Ilievski, V., Zuchowska, P. K., Green, S. J., et al. (2018). Chronic oral application of a periodontal pathogen results in brain inflammation, neurodegeneration and amyloid beta production in wild type mice. PLoS One, 13(10), e0204941.
Kim, D. H., & Han, G. S. (2025). Periodontitis as a risk factor for dementia: A systematic review and meta-analysis. Journal of Evidence-Based Dental Practice, 25(2), 102094.
Dibello, V., Custodero, C., et al. (2024). Impact of periodontal disease on cognitive disorders, dementia, and depression: A systematic review and meta-analysis. GeroScience, 46(5), 5133–5169.
Lei, S., Li, J., Yu, J., et al. (2023). Porphyromonas gingivalis bacteremia increases the permeability of the blood-brain barrier via the Mfsd2a/Caveolin-1 mediated transcytosis pathway. International Journal of Oral Science, 15(1), 3.
Ahmed, M. A. E., et al. (2025). Pathophysiological insights into the oral–brain axis: Evidence-based mechanisms connecting periodontitis and Alzheimer’s disease. European Journal of Neuroscience, 62(12), e70366.
Chen, H., et al. (2026). Dentition-Cognition Relationship in Aging Populations: A Meta-Analysis of Longitudinal Data. Journal of Oral Rehabilitation, 53(4), 924–938.

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