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2026年7月11日

ゲームをするだけで脳が物理的に変化する!?ビデオゲームが脳を「改造」も「破壊」もする驚がくのメカニズム

ゲームをするだけで脳が物理的に変化する!?ビデオゲームが脳を「改造」も「破壊」もする驚がくのメカニズム
ヤーモリ
イーモリ!イーモリ!大変だ!あの地球人の若者、もう6時間もモニターの前で微動だにしないぞ!?生きてるのか!?
イーモリ
落ち着いて、ヤーモリ。あの地球人はビデオゲームをプレイしているんだよ。僕のデバイスブックによると、日本では約5,500万人がゲームをプレイしているらしい。
ヤーモリ
ゲーム!?あのコントローラーをカチカチやるやつか!僕も地球のゲーム大好きだぞ!特に竜の玉のやつ!でも6時間は……さすがに脳が溶けるんじゃないか?
イーモリ
実はね、最新の脳科学では、ビデオゲームが脳を物理的に変化させることがわかっているんだ。しかも「良い変化」と「悪い変化」の両方が起こる。
ヤーモリ
なにーーーーーーーーーー!?脳が物理的に変わるって、どういうことだ!?
イーモリ
まず「良い変化」から説明するね。2014年にドイツのマックス・プランク研究所のKühnたちが、とても面白い研究をしたんだ。
ヤーモリ
ほう。何をしたんだ?
イーモリ
被験者に「スーパーマリオ64」を毎日30分以上、2ヶ月間プレイしてもらったんだ。そしてプレイ前後でMRI脳スキャンを比較した。
ヤーモリ
マリオ!?あの赤い帽子の配管工か!あれは僕も好きだぞ!で、脳はどうなったんだ?
イーモリ
驚くべきことに、3つの脳領域で灰白質——つまり神経細胞が密集している部分——が有意に増加していたんだ。具体的には、右海馬、右背外側前頭前野、そして両側の小脳だよ。
ヤーモリ
か、海馬!?それって記憶に関わるやつだろ!?ゲームで記憶力が上がるのか!?
イーモリ
そうなんだ。海馬は空間記憶や空間ナビゲーションに重要な役割を果たしている。マリオ64は3D空間を探索するゲームだから、空間認知能力が鍛えられて海馬が発達したと考えられている。
ヤーモリ
じゃあ前頭前野は?
イーモリ
背外側前頭前野は計画立案、戦略的思考、ワーキングメモリに関わる領域だ。ゲーム中に「次はどこに行こう」「どのルートが効率的か」と考え続けることで、この領域が強化されたんだね。
ヤーモリ
ふっふっふ。つまりゲームは脳のトレーニングだったということだな!僕が毎晩ゲームをしているのは調査の一環だけでなく、脳のトレーニングでもあったのだ!
イーモリ
……まあ、そういう側面もあるかもしれないけど。さらにすごいのは、2003年にロチェスター大学のGreenとBavelierが発表した研究だよ。
ヤーモリ
何がわかったんだ?
イーモリ
アクションゲームのプレイヤーは、非プレイヤーと比べて視覚的注意力が格段に優れていたんだ。周辺視野でのオブジェクト検出精度が高く、「注意の瞬き」と呼ばれる現象にも耐性があった。しかもこれはNatureに掲載された研究だよ。
ヤーモリ
注意の瞬き?何だそれは?
イーモリ
短い時間に2つの情報が連続して提示されると、2つ目の情報を見落としやすくなる現象のことだよ。ゲーマーはこの見落としが少ない。つまり、高速で変化する情報を処理する能力が鍛えられているんだ。
ヤーモリ
すごいな!じゃあゲーマーは全員天才なのか!?
イーモリ
そう単純ではないんだ。ここからが重要なポイントだよ。1998年にKoeppたちがNatureに発表した画期的な研究がある。
ヤーモリ
ほう?
イーモリ
PETスキャンを使って、ビデオゲーム中の脳内ドーパミン放出量を測定したんだ。その結果、ゲーム中に腹側線条体で放出されるドーパミンの量が、覚醒剤に匹敵するレベルだったことがわかった。
ヤーモリ
か、覚醒剤と同じレベル!?ゲームってそんなにヤバいのか!?
イーモリ
「量」が同程度というだけで、作用の仕方は異なるよ。でもこれは、なぜゲームがあんなに楽しくてやめられないのかを説明しているんだ。脳の報酬系がゲームのクリアや勝利のたびに「もっとやれ!」と信号を送り続けるんだよ。
ヤーモリ
だから僕も「あと1ステージだけ……」が止まらないのか……。
イーモリ
そしてここからが「悪い変化」の話だ。2018年にカナダのモントリオール大学のWestたちがMolecular Psychiatryに発表した研究で、衝撃的な発見がされた。
ヤーモリ
い、いい話ばかりじゃなかったのか……?
イーモリ
FPSやアクションゲームのヘビープレイヤーの85%は、ゲーム内の移動に「応答型ナビゲーション」——つまり「右に曲がれ、次は左」というような反復的なパターン記憶——を使っていたんだ。この戦略は海馬ではなく尾状核という別の領域を使う。
ヤーモリ
それの何が問題なんだ?
イーモリ
尾状核を多く使えば使うほど、海馬の使用頻度が減る。そして使われなくなった海馬は灰白質が減少していったんだ。つまり、ゲームの種類と遊び方によっては、記憶に重要な海馬が萎縮するリスクがある。
ヤーモリ
ガーン!さっきは海馬が増えるって言ってたのに!?
イーモリ
ポイントは「ゲームのジャンル」と「ナビゲーション戦略」なんだ。3Dの探索型プラットフォームゲームやストラテジーゲームは海馬を活性化させる。一方、反復的なパターンで進むタイプのFPSは、同じ90時間のプレイでも海馬を縮小させる可能性がある。
ヤーモリ
じゃあ僕がやってる竜の玉の格闘ゲームはどっちだ……?
イーモリ
ふふ、格闘ゲームはパターン認識と反射神経が中心だから、アクションゲーム寄りかもしれないね。でも安心して。2017年にPalausたちが116の研究をまとめたシステマティックレビューを発表しているんだけど——
ヤーモリ
ひゃ、116もの研究!?
イーモリ
うん。結論として、ビデオゲームは注意力、認知制御、視空間能力、報酬処理など、幅広い認知機能にポジティブな影響を与えることが確認されたんだ。重要なのは「どんなゲームを、どれくらい、どう遊ぶか」なんだよ。
ヤーモリ
な、なるほど。じゃあゲームは完全に悪いわけじゃないんだな?
イーモリ
むしろ最新の研究では、ゲームが高齢者の認知症予防に役立つ可能性すら示されているよ。2025年のFrontiers in Aging Neuroscienceに掲載されたメタ分析では、ビデオゲームが軽度認知障害の高齢者の全般的な認知機能を向上させることが確認された。
ヤーモリ
ゲームで認知症予防!?地球のお年寄りにゲームを配れば解決するのか!?
イーモリ
そう単純ではないけれど、NIHが支援した大規模なACTIVE試験の20年間の追跡調査では、スピードベースの認知トレーニング——これは市販のビデオゲームとは異なる専用プログラムだけど——を受けた65歳以上の参加者は、認知症の発症リスクが25%低下していたんだ(Coe et al., 2026)。ゲームそのものの効果とは区別が必要だけど、「脳を使う訓練」が長期的に認知症リスクを下げるという点では希望が持てるね。
ヤーモリ
25%も!?それはすごいぞ!
イーモリ
さらに、週5時間以上ゲームをプレイする大人は、認知テストで実年齢より13.7歳若い成績を示したという研究もある(Paleczny et al., 2025)。推論力や言語能力で特に差が出たそうだよ。ただしこれは観察研究なので、ゲームが直接の原因とは言い切れない点には注意が必要だ。
ヤーモリ
13.7歳!?よーし!僕は今日から1日8時間ゲームをするぞ!脳を若返らせるのだ!
イーモリ
……ヤーモリ、大事なのはバランスだよ。過度なゲームプレイはドーパミン系の過剰刺激を引き起こして、日常の小さな喜びに対する感受性が鈍くなるリスクがある。
ヤーモリ
う……。つまり、ゲームが楽しすぎると、他のことがつまらなくなるってことか?
イーモリ
そういうことだね。まとめると、ビデオゲームは適切に遊べば脳の灰白質を増やし、注意力を鍛え、認知機能を向上させる。でも過度にやると海馬の萎縮やドーパミン系の偏りを招く。「何を、どれくらい遊ぶか」が鍵なんだ。
ヤーモリ
ふむふむ。じゃあ3Dの探索ゲームとストラテジーゲームを、1日30分から1時間くらいやるのが最強ってことか!
イーモリ
その通り。Kühnたちの研究でも、1日30分のプレイで効果が確認されている。量より質、そしてゲームのジャンル選びが大切だよ。
ヤーモリ
よし!これは大発見だ!僕はこの知見を活用して……「脳トレ・ゲーミング・プログラム」を開発するぞ!地球人にゲームを配布して、全員の脳をグレードアップだ——
イーモリ
……やっぱりそうなるんだね。ヤーモリ、それ以前に君は毎晩6時間ゲームしてるのをまず30分に減らすところから始めたほうがいいと思うよ。
ヤーモリ
でもゲームが脳にいい面があるってことは科学的に証明されたんだもん……!これからもゲームの研究を進めるぞー

参考文献

  • Kühn, S., Gleich, T., Lorenz, R. C., Lindenberger, U., & Gallinat, J. (2014). Playing Super Mario induces structural brain plasticity: Gray matter changes resulting from training with a commercial video game. Molecular Psychiatry, 19(2), 265-271.
  • Green, C. S., & Bavelier, D. (2003). Action video game modifies visual selective attention. Nature, 423(6939), 534-537.
  • Koepp, M. J., et al. (1998). Evidence for striatal dopamine release during a video game. Nature, 393(6682), 266-268.
  • West, G. L., Konishi, K., Diarra, M., Benady-Chorney, J., Drisdelle, B. L., Dahmani, L., Sodums, D. J., Lepore, F., Jolicoeur, P., & Bohbot, V. D. (2018). Impact of video games on plasticity of the hippocampus. Molecular Psychiatry, 23(7), 1566-1574. https://doi.org/10.1038/mp.2017.155
  • Palaus, M., Marron, E. M., Viejo-Sobera, R., & Redolar-Ripoll, D. (2017). Neural basis of video gaming: A systematic review. Frontiers in Human Neuroscience, 11, 248.
  • Coe, N. B., Miller, K. E. M., Sun, C., Taggert, E., Gross, A. L., Jones, R. N., Felix, C., Albert, M. S., Rebok, G. W., Marsiske, M., Ball, K. K., & Willis, S. L. (2026). Impact of cognitive training on claims-based diagnosed dementia over 20 years: evidence from the ACTIVE study. Alzheimer’s & Dementia: Translational Research & Clinical Interventions, 12, e70197. https://doi.org/10.1002/trc2.70197
  • Paleczny, S. G., Wild, C. J., Xue, A., Highfield, R., & Owen, A. M. (2025). Characterizing the cognitive and mental health benefits of exercise and video game playing: The Brain and Body Study. PLOS ONE, 20(10), e0334924. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0334924
  • Chen, Y., Li, X., & Zhang, X. (2025). The effects of video games on cognitive function in older adults with mild cognitive impairment: A meta-analysis. Frontiers in Aging Neuroscience, 17, 1756970.

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