システム開発・DX導入支援のシナプス・コード

2026年1月11日

【警告】長時間労働で脳が物理的に変化する!?「適応」と「破壊」の境界線

ヤーモリ
(モニターを見ながら)おいイーモリ!見ろよこの地球人。深夜2時だというのにまだオフィスでPCを叩いているぞ!なんて勤勉な生物なんだ!
イーモリ
あれは典型的な「長時間労働」の状態だね。週52時間以上働いている可能性が高い。
ヤーモリ
きっと彼の脳内では、猛烈な勢いで進化が起きているに違いない!これだけ使えば、筋肉みたいにムキムキに鍛えられるんだろう?
イーモリ
半分正解で、半分間違いだ。実は最新の研究によると、過重労働をしている人の脳は、確かに「物理的に肥大化」していることが分かったんだ。
ヤーモリ
やっぱりムキムキになってるのか!ならいいことじゃないか!最強の脳を手に入れたってことだろ?
イーモリ
そう単純な話ではない。韓国の研究チームが「週52時間以上働く人」と「そうでない人」の脳をMRIで比較したところ、長時間労働グループは「中前頭回」や「島皮質」といった領域の体積が増加していた。
ヤーモリ
おお、やっぱり!脳がパワーアップしてるんだ!
イーモリ
いや、これは過酷な環境に適応しようとする「神経適応」の結果、あるいは過剰なストレスによる炎症反応の可能性があるんだ。つまり、脳が悲鳴を上げながら無理やり活動レベルを上げている状態さ。
ヤーモリ
むむ…?無理やりってことは、そのまま続けるとどうなるんだ?
イーモリ
その先にあるのは「破壊」だ。スウェーデンのカロリンスカ研究所のサビッチ博士らの研究によると、慢性的な職業性ストレスで「燃え尽き症候群(バーンアウト)」になった人の脳は、逆に前頭皮質が「薄く(萎縮)」なっていたんだ[2, 3]。
ヤーモリ
萎縮!?大きくなったと思ったら、今度は縮むのか!?
イーモリ
そうだ。最初は適応しようと頑張って肥大化するが、限界を超えると神経細胞が死滅したり、結合が減ったりして萎縮してしまう。まさに「適応」から「破壊」への転落だ。
ヤーモリ
恐ろしい…!縮んでしまったら、頭の働きはどうなるんだ?
イーモリ
当然、悪くなる。有名な「ホワイトホールII研究」では、週55時間以上働く人は、週40時間以下の人に比べて、語彙力や推論能力のテストスコアが低かったという結果が出ている[4]。
ヤーモリ
なんてことだ!彼らは賢くなるために働いているんじゃなくて、必死に働いた結果、逆に頭が働かなくなっていくのか…!
イーモリ
悲しい現実だが、脳のリソースには限界があるということだ。
ヤーモリ
じゃあどうすればいいんだ!働くのをやめて、一生ゴロゴロしていればいいのか?それなら僕にもできるぞ!
イーモリ
極端すぎだ。重要なのは「脳を壊さない働き方」を知ることだ。ポイントは2つある。まずは「脳の洗浄」だ。
ヤーモリ
脳の洗浄?頭を洗濯機に入れるのか?
イーモリ
違う。脳には「グリンパティック・システム」という老廃物の洗浄機能がある。これは主に「深い睡眠中」に作動して、脳のアミロイドβなどのゴミを洗い流すんだ[5]。
ヤーモリ
寝ている間に掃除してくれるのか!なら、あの深夜2時まで働いている彼は…?
イーモリ
掃除の時間がゼロだ。ゴミが溜まり続け、やがて神経細胞を傷つける。だから「睡眠」は単なる休憩ではなく、「脳のメンテナンス業務」として必須なんだ。
ヤーモリ
なるほど!睡眠も仕事のうちってわけか!それなら上司にも言い訳できるな!もう一つのポイントは?
イーモリ
「やらされ仕事」にしないことだ。「仕事の要求度-コントロールモデル(JDCモデル)」という理論がある[6]。
ヤーモリ
なんだか難しそうな名前だ…。
イーモリ
簡単だよ。「仕事がキツくても、自分の裁量(コントロール)で決められるなら、脳へのダメージは少ない」という理論だ。逆に「キツい上に、やらされている(裁量がない)」状態が、最も脳を破壊する高ストレス状態なんだ[6]。
ヤーモリ
つまり、「嫌々やらされる残業」が一番脳に毒ってことか!
イーモリ
その通り。自分で計画し、コントロール感を持つことで、脳はそれを「脅威」ではなく「挑戦」と捉え、適応力を維持できる可能性がある。
ヤーモリ
よーしわかった!僕もこれからは「やらされ調査」じゃなくて、僕がやりたい「パンケーキ調査」に切り替えるぞ!これなら脳もムキムキだ!
イーモリ
…まあ、君の脳がそれで守られるなら、それでもいいか。ただし、食べ過ぎによる身体へのダメージは別問題だけどね。

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📚 参考文献・リンク

[1] 長時間労働と脳の構造変化(肥大化)に関する研究
論文Jang, W. et al. (2025). Overwork and changes in brain structure: a pilot study. Occupational & Environmental Medicine, 82(3), 105.
リンク https://oem.bmj.com/content/82/3/105

[2] バーンアウトと前頭皮質の菲薄化(萎縮)に関する研究
論文Savic, I. (2015). Structural changes of the brain in relation to occupational stress. Cerebral Cortex, 25(6), 1554–1564.
リンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24352030/

[3]慢性的な職業性ストレスと脳体積の減少
論文Blix, E. et al. (2013). Long-term occupational stress is associated with regional reductions in brain tissue volumes. PLOS ONE, 8(6), e64065.
リンク https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0064065

[4]長時間労働と認知機能低下(ホワイトホールII研究)
論文Virtanen, M. et al. (2009). Long working hours and cognitive function: the Whitehall II Study. American Journal of Epidemiology, 169(5), 596–605.
リンク https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2727184/

[5]グリンパティック・システム(脳の洗浄機能)に関する研究
論文Xie, L. et al. (2013). Sleep drives metabolite clearance from the adult brain. Science, 342(6156), 373–377.
リンク https://www.science.org/doi/10.1126/science.1241224

[6]仕事の要求度-コントロールモデル(JDCモデル)
書籍/論文Karasek, R. A. (1979). Job demands, job decision latitude, and mental strain. Administrative Science Quarterly, 24(2), 285–308.


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